結論から言うと、毛根再生注射とACRSは自分自身の細胞成分を利用して毛根を活性化させる再生医療の治療法です。飲み薬とは異なるアプローチで、薬の副作用を避けたい方や早期に変化を実感したい方の新しい選択肢になっています。
「薬に頼らず薄毛を改善したい」という方に向けて、再生医療の仕組みと従来の治療との違いを整理します。
毛根再生注射とは何か?仕組みと手順

自分の髪から成長因子を抽出して注入する
毛根再生注射は、患者自身の健康な髪の毛を採取し、そこに含まれる「成長因子」を抽出して薄毛部分に注射する治療法です。
主な手順は以下の3ステップです。
①健康な髪の毛を20本ほど採取する
②専用の機械で粉砕・液体化し成長因子を取り出す
③薄毛が気になる部分(つむじなど)に直接注射する
毛根再生注射は自分自身の髪から抽出した成長因子を利用するため、アレルギーや副反応のリスクを抑えながら毛根を活性化できる治療法です。
効果実感までのスピードが早い
一般的な飲み薬による治療は効果を実感するまでに6ヶ月〜1年ほどかかります。
一方で毛根再生注射は約1〜3ヶ月という短期間で効果を実感できるケースがあり、早期の改善を望む方にとって有効な選択肢です。
AGA治療の効果が出るまでの一般的な期間については、AGA治療の効果はいつ出る?6ヶ月・12ヶ月の判断基準を解説した記事もあわせてご覧ください。
ACRSとは何か?毛根再生注射との違い

血液から成長因子を抽出する治療法
ACRSは、患者自身の血液から血小板を取り出し、そこに含まれる成長因子を抽出して頭皮に注入する治療法です。
毛根再生注射が「髪の毛」から成長因子を抽出するのに対し、ACRSは「血液」から抽出するという違いがあります。
手順は「採血→血小板からの成長因子抽出→頭皮への注入」というシンプルな流れです。
ACRSも毛根再生注射と同様に自分自身の成分を利用するためアレルギーリスクが低く、薬を使いたくない方や副作用を避けたい方の選択肢として注目されています。
どちらを選ぶかはクリニックの得意分野で決まることが多い
毛根再生注射とACRSはどちらも自己由来成分を使う再生医療ですが、採取する材料や抽出方法が異なります。
クリニックによって導入している治療法が異なるため、カウンセリング時にそれぞれの特徴とクリニックの実績を確認することが重要です。
再生医療は薬とどう違うのか

やめても薬ほど急激には元に戻らない
フィナステリドやミノキシジルは服用・使用をやめると比較的早く元の状態に戻り始めます。
一方で毛根再生注射やACRSは弱った毛根細胞を根本から若返らせることを目指す治療のため、治療をやめても薬ほど急激には元に戻らないとされています。
再生医療は「やればやるほど若返る」という性質を持つ一方、AGAそのものが進行性の病気である以上、治療効果を長期間維持するには定期的なメンテナンスや飲み薬との併用が理想的です。
飲み薬との併用でより高い効果が期待できる
再生医療は毛根を活性化させる「攻め」の治療ですが、AGAの根本原因であるDHTを抑える働きはありません。
フィナステリドなどの「守り」の薬と組み合わせることで、進行を止めながら毛根を若返らせるという相乗効果が期待できます。
AGA治療における守りと攻めの役割については、フィナステリドとミノキシジルの役割分担を解説した記事もあわせてご覧ください。
再生医療が向いている人・注意点

こんな人に再生医療が向いている
◎ 薬の副作用が気になり服用に抵抗がある方
◎ 早期に変化を実感したい方
◎ アレルギーリスクを最小限に抑えたい方
◎ 薬に頼らない選択肢を探している方
再生医療は自分自身の成分を利用するためアレルギーリスクが低く、薬に抵抗がある方でも比較的取り入れやすい治療法です。ただし進行性の病気であるAGAへの根本対策としては飲み薬との併用が推奨されます。
費用面での注意点
再生医療は自由診療であり、費用は飲み薬による治療より高額になる傾向があります。
治療を検討する際は、事前にクリニックで具体的な費用と施術回数の目安を確認することが重要です。
AGA治療全体の費用感については、オンラインで変わったAGA治療の費用相場を解説した記事もあわせてご覧ください。
【まとめ】毛根再生注射・ACRSの特徴比較
| 項目 | 毛根再生注射 | ACRS |
|---|---|---|
| 採取する材料 | 健康な髪の毛(約20本) | 血液(採血) |
| 手順 | 採取→液体化→注射 | 採血→成長因子抽出→注射 |
| 効果実感の目安 | 約1〜3ヶ月 | 約1〜3ヶ月 |
| アレルギーリスク | 低い(自己由来成分) | 低い(自己由来成分) |
| 継続性 | やめても急激には戻らない | やめても急激には戻らない |
毛根再生注射やACRSは、自分自身の成分を利用してリスクを抑えながら発毛を促す再生医療の選択肢です。
薬に抵抗がある方・早期に変化を実感したい方にとって有力な治療法ですが、AGAが進行性の病気である以上、飲み薬との併用や定期的なメンテナンスを検討することが長期的な改善への近道です。
参考資料
この記事は以下の資料を参考に作成しています。
- 公益社団法人 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」(再生医療系治療の位置づけと今後の展望を整理)
- “Long-Term Effectiveness and Safety of Dutasteride versus Finasteride in Patients with Male Androgenic Alopecia in South Korea” PMC, 2022.(自己成分由来治療と薬物治療の併用効果に関するデータを含む)
- “Low-Dose Oral Minoxidil for Alopecia: A Comprehensive Review.” PMC.(従来の薬物治療と自己由来成分治療の作用機序の違いを整理)
